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人に愛された想い出より、人と別れた想い出を持つ女の方が、しっとりと魅力的なのは、その女が心底から人を呪い人を憎んだ苦しい経験をへて、人を許すことを識っているせいではないかしらと思う。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0159

 

【投稿者】

30代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

人に愛された想い出より、人と別れた想い出を持つ女の方が、しっとりと魅力的なのは、その女が心底から人を呪い人を憎んだ苦しい経験をへて、人を許すことを識っているせいではないかしらと思う。

 

【タイトル・著者】

瀬戸内寂聴「切に生きる」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

好きという気持ちを「好き」としか表現できないのがもどかしいほどに、お互い好きだったのに、別れる間際は、信じられないほどにあっけなく冷たい態度を見せられ、結局それに耐えられずに自分から別れる決意をしたときに、誰の言葉を聞いても慰められなかったけれど、切に生きるという本を読んで、この一文を読んだとき、何かがすーっと引いていくような不思議な落ち着きをもち感動しました。つらい経験はしないにこしたことはないけれど、うれしい経験よりも遥かに学ぶことは多く、自分のこの失恋だっていつかは自分をしっとりと輝かせる魅力に変わってくれるかもしれないと信じて生きていこうと思いました。

【本の内容】

誰もが幸せになれる言葉が散りばめられた、瀬戸内寂聴珠玉の一冊!

瀬戸内寂聴氏の数多くの著作の中から、表題「切に生きる」の思いを伝える珠玉の文章を抜粋し、編んだ一冊。
〈感動する喜び〉〈愛する幸せ〉〈生きる愉しさ〉に満ちた人生のために!

一、生きるちから
二、ほんとうの愛
三、へこたれない極意
四、見えないものを見る
五、絶望という名の希望
六、日々に尽くす
七、具わっている才能
八、誰もが見出せるはず
――本書「目次」より


瀬戸内/寂聴
1922年徳島市生まれ。東京女子大学卒業。1961年「田村俊子」で第1回田村俊子賞、1963年「夏の終り」で第2回女流文学賞。1973年中尊寺で得度受戒。1987年岩手県浄法寺町天台寺住職に就任(2005年まで。現名誉住職)、敦賀女子短期大学学長に就任(1991年まで)。1992年「花に問え」で第28回谷崎潤一郎賞、1996年「白道」で芸術選奨文部大臣賞、文化功労者となる。1998年NHK放送文化賞、2001年「場所」で第54回野間文芸賞、2002年新作歌舞伎「源氏物語須磨・明石・京」で第30回大谷竹次郎賞、2006年イタリア国際ノニーノ賞、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)