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しかし豊富な語彙を持ち、その中の微妙なニュアンスを汲んで言葉を選ぶ感受性は、翻訳の上では英語の語学力と同じくらい、あるいはそれ以上に大切な要素だと思う - 本で出会った素敵な言葉 vol.0160

 

【投稿者】

40代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

しかし豊富な語彙を持ち、その中の微妙なニュアンスを汲んで言葉を選ぶ感受性は、翻訳の上では英語の語学力と同じくらい、あるいはそれ以上に大切な要素だと思う。 季節や自然、色彩、情感を表現する日本語の豊かな歴史を思えば、日本の古典文学や短歌や俳句に触れることも大切。

 

【タイトル・著者】

村岡恵理「アンのゆりかご」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

著者の祖母である「村岡花子」は、赤毛のアンを翻訳したこと、また最近では朝の連ドラ「花子とアン」で著名な方ですが、その村岡花子さんが、 翻訳家を目指す若い女性に向けて語った言葉です。 私自身も英語が好きで、海外に対する興味が非常に強いのですが、この言葉からは、海外文化を深く理解すること、お互いに伝え合うためには、自分自身の国、日本の言葉や文化に対する造詣を深め、多様な表現方法を持つことの重要性を感じました。 語学に限らず人間関係すべてに必要な観点だと感じました。

【本の内容】

戦争へと向かう不穏な時勢に、翻訳家・村岡花子は、カナダ人宣教師から友情の証として一冊の本を贈られる。後年『赤毛のアン』のタイトルで世代を超えて愛されることになる名作と花子の運命的な出会いであった。多くの人に明日への希望がわく物語を届けたい──。その想いを胸に、空襲のときは風呂敷に原書と原稿を包んで逃げた。情熱に満ちた生涯を孫娘が描く、心温まる評伝。