国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった - 本で出会った素敵な言葉 vol.0133
【投稿者】
10代 男性
【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
【タイトル・著者】
川端康成「雪国」
【その言葉が好きな理由・感動した理由】
私は小説家になりたくて作家養成の専門学校に通っています。その為たくさんの本を読むのですが、これほど美しく引き込まれる冒頭はこの雪国だけです。 どうすればこの素晴らしい一文を書き出せるのか? どうしてこんなにも引き込まれるのか? 今の私には到底分からない何かがあり、理解できる日が早く来ないものかと考えているうちに好きになって行きました。 また、リズムの良さにも感動を覚えます。おそらく文面だけでは無く、読み手も意識されていたのでは? と考えてしまいます。
【本の内容】
親譲りの財産で、きままな生活を送る島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。許婚者の療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない――。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。ノーベル賞作家の美質が、完全な開花を見せた不朽の名作。