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何がしあわせかわからないです。本当にどんなに辛いことでも、それが正しい道を進む中の出来事なら峠の上りも下りもみんな本当の幸せに近づく一足づつですから - 本で出会った素敵な言葉 vol.00071

 

【投稿者】

40代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

何がしあわせかわからないです。本当にどんなに辛いことでも、それが正しい道を進む中の出来事なら峠の上りも下りもみんな本当の幸せに近づく一足づつですから。

 

【タイトル・著者】

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

これは登場人物の台詞のひとつです。 「銀河鉄道の夜」に初めて触れたとき、私はうつ病でなにもかもが辛い、苦しみしかない日々を送っていました。 この本で、「ほんとうのしあわせ」とはなにかを教えてもらった気がします。 毎日悩みなく順調に過ごせているだけがしあわせではない。 苦しみを持っていても、自分の歩くべき道をまっすぐ進んでいくことこそが幸せにつながるのだと信じることができたのです。 賢治先生の「銀河鉄道の夜」は、「しあわせとはなにか」を求める物語であると私は思っています。 友人を助けるために自分は溺れてしまったカムパネルラ。 沈没しようとする船で、人を押しのけてまで助かることが幸せなのだろうかと悩んだ青年。 この物語を編んだ賢治先生自身も最愛の妹を亡くした胸の痛みを抱えていました。 「幸せ」という概念は人によって異なります。 しかし「ほんとうのしあわせ」というものはいったいなんでしょうか。 この一文に賢治先生の「ほんとうのしあわせ」への想いがこもっているように感じられます。 私にとって宝物のような一文です。

【本の内容】

お祭りの日の夜、いじめられっ子のジョバンニがひとり丘の上で星空を眺めていると、いつの間にか、宇宙を旅する銀河鉄道に乗っていた。向かいの座席には親友のカムパネルラもいて、2人は一緒に満天の星空を巡っていく。2人の旅は、このままどこまでも続くように思われたが…悲しくも美しい宮沢賢治の代表傑作!