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愛着障害~子ども時代を引きずる人々~:岡田尊司 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0066

 

40代 女性

 

1人っ子の私は、両親の愛情を一心に受けて大切に育ててもらいました。特に母からは強い愛情をもらいましたが時にそれは強すぎて、受け止めきれない事も多々ありました。母のことは大好きで尊敬しているのに、私自身が出産し母親になってからも尚、母とは激しくぶつかる事がありました。大人になっても解消できないその「母との関係性」や「距離感」にずっと長く悩んでいましたが、この本を読んで、母に対する自分の言動や行動には理由があったということが判り、まさに目からウロコの連続でした。長い間、悩み苦しんでいた靄がパーッと晴れたような感覚で、まるで神様に「それでいいんだよ」とおっしゃって頂いたような、本当に救われた気持ちになりました。勇気を出して、この本を母自身にも薦め読んでもらったところ、何ともあっさりと母との関係はみるみる良好に向かいました。私を救ってくれた大切な一冊です。

 

●人に気をつかいすぎる ●親しい関係が苦手 ●依存してしまいやすい ●発達障害と似たところがある ●意地っ張りで損をする ----その裏側には愛着の問題がひそんでいる! ◎人は、生まれるとすぐに母親に抱きつき、つかまろうとする。子どもが成長するうえで、母が子を抱っこすることは、乳を与えることと同じくらい重要なのである。いくら栄養を与えても、抱っこが不足すれば、子どもはうまく育たない。 抱っこをし、体を接触させることは、子どもの安心の原点であり、愛着もそこから育っていく。抱っこをすることで、子どもから母親に対する愛着が生まれるだけでなく、母親から子どもに対する愛着も強化されていく。何らかの理由で、あまり抱っこをしなかった母親は、子どもに対する愛着が不安定になりやすく、子どもを見捨ててしまうという危険が高くなることが知られている。

 

第一章 愛着障害と愛着障害スタイル あなたの行動を支配する愛着スタイル/抱っこからすべては始まる/子どもの四つの愛着パターン/良い子だったオバマ/愛着障害と不安定型愛着/三分の一が不安定型愛着を示す

 

第二章 愛着障害が生まれる要因と背景 増加する愛着障害/養育環境の関与が大きい/親の愛着スタイルが子どもに伝達される/母親のうつや病気も影響する/一部は遺伝的要因も関与

 

第三章 愛着障害の特性と病理 親と確執を抱えるか、過度に従順になりやすい/ストレスに脆く、うつや心身症になりやすい/意地っ張りで、こだわりやすい/発達障害と診断されることも少なくない/依存しやすく過食や万引きも/虚言癖がある/性的な問題を抱えやすい/親代わりの異性と、ずっと年下の異性/誇大自己と大きな願望

 

第四章 愛着スタイルを見分ける ストレスが溜まったとき、人を求めますか?/つらい体験をよく思い出しますか?/愛する人のために犠牲になれますか?/健康管理に気を配る方ですか?

 

第五章 愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情 1.安定型愛着スタイル 2.回避型愛着スタイル 3.不安型愛着スタイル 4.恐れ・回避型愛着スタイル

 

第六章 愛着障害の克服・ 1.なぜ従来型の治療は効果がないのか 2.いかに克服していくか