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「降ります、降りまーす。道明けてくださーい。早く降りたいんですーっ。」と大あわてで坂を下りようとする。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0145

 

【投稿者】

40代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

「降ります、降りまーす。道明けてくださーい。早く降りたいんですーっ。」と大あわてで坂を下りようとする。

 

【タイトル・著者】

群ようこ「四天王寺のカメ(短編集「それなりに生きている」)」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

この話は、亀が出てきますが、亀がたくさん山のように重なっているので、降りるときに転がり落ちて池の中にジャボン!と落ちて行きます。その様子がコミカルに表現されていて、おかしくて大笑いしました。それと同時に、心がほっこりと温かくなるような、そういう気持ちにさせられるので、私は大好きです。犬や猫もかわいいですが、亀というのがまた意表をついていて、とても良かったです。私自身も亀を子供の頃に飼っていたので、それで懐かしい気持ちにもなりました。 他愛もない、だからこそ心が癒された文でした。

【本の内容】

仲間をふんづけ乗り越えて場所取りに成功し、のんびり日光浴としゃれ込む四天王寺の亀。自分の選んだ死に場所まで病を押してわざわざ歩く外ネコ。自分の家がわからなくなり迷子札を付けられた老猫。肥満にならないよう自己管理している犬。土中にいる「ころりん」系の幼虫から神格化されている白蛇まで、みな健気に生きている。些細なことで悩むのがアホらしいと思えてくる“生きもの”エッセイ。