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しかし君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか? - 本で出会った素敵な言葉 vol.00086

 

【投稿者】

20代 男性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

しかし君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか?

 

【タイトル・著者】

夏目漱石「こころ」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

まず。インパクトが絶大なこと。この一文はかなり序盤で先生が語るセリフだけど、この一文はこころという小説の主軸を捕らえているように感じる。先生の過去や、今後の展開への伏線にもなり、また、なぜ恋愛は罪悪なのかという哲学的な興味も抱かせる。終盤、このセリフは先生の遺書の中で形を変えてリフレインされることで、より印象に残るようになる。恋愛は罪悪という言葉に共感できないのは、恋愛が罪悪ではなくなった現代だから。

【本の内容】

鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生"と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。