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自ら計らわず - 本で出会った素敵な言葉 vol.00043

 

【投稿者】

40代 男性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

自ら計らわず

 

【タイトル・著者】

城山三郎「落日燃ゆ」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

「自らはからわず」これは広田弘毅の生き方、言葉、信条である。本当に重厚感があり、人としてが、できた人だけができる生き方です。心打たれました。本物の人間だからこそ実践できる信条です。信念があり、練られた、鍛えられた、ほんとうの鍛錬ができた人の言葉です。静かな自信、私心のない心、本当のリーダーたる人の座右の銘です。自信のない者、実力のない者、我欲の者、貪る者は自らをアピールする。計らう、おもねる。真の実力者は静かに構えている。計らう必要もない。

【本の内容】

東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。