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勇気、希望、忍耐。この三つを抱きつづけたやつだけが、自分の山を上りきれる。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0005

 

【投稿者】

40代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

人間には、勇気はあるけど辛抱が足らんというやつがいてる。 希望だけで勇気のないやつがおる。 勇気も希望も誰にも負けんくらい持ってるくせに、すぐにあきらめてしまうやつもおる。 辛抱ばっかりで人生何も挑戦せんままに終わってしまうやつも多い。 勇気、希望、忍耐。この三つを抱きつづけたやつだけが、自分の山を上りきれる。

 

【タイトル・著者】

宮本輝「春の夢」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

これほどまで普遍性のある言葉はそうそうありません。 人間はこの中のどれかに当てはまるからです。 何と耳の痛い言葉か。 宮本輝の著書は若いころ、たくさん読みました。 泥の河を読んだ時の、どす黒い感動は忘れません。 宮本文学はいつも私に何かを残します。 自分の中の見てはいけない、でも見ずにはいられない何かを。 私自身 勇気はあります、希望もあります。でもすぐに諦めてしまうたちです。 未だにそれが直りません。 後になっていつも思うのです。 あの時もう少し頑張っていればな…と。 そして今も残るのです。 見ずにはいられない自分の姿を。

【本の内容】

亡き父の借財を抱えた大学生、井領哲之。大阪にあるホテルでのアルバイトに勤しむ彼の部屋には、釘で柱に打ちつけられても生きている蜥蜴の「キン」がいる―。可憐な恋人とともに、人生を真摯に生きようとする哲之の憂鬱や苦悩、そして情熱を一年の移ろいのなかにえがく、青春文学の輝かしい収穫。