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サラダ記念日:俵万智 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0189

 

【投稿者】

30代 女性

【人生に影響を与えた理由】

サラダ記念日を初めて手にしたのは、確か小学5年生の時だったと思います。 当時の私は、まだ内容の半分も理解できず ただ所持しているだけの物でしたが、中学生になり思春期も迎え 、それなりに近い将来を意識するような恋を経験するようになって改めて読んだ時に今までにない衝撃を覚えました。 私の「恋愛」という人生観を変えたのは 「手紙には愛あふれたりその愛は消印の日のその時の愛」 この一首です。 手紙を書いている時の気持ちは本物でも、私の手元に届く時には その愛はどうなっているか解らない…恋愛に夢見ていた中学生の私には、酷く残酷な現実を目の当たりにさせられたと同時に、妙に落ち着いた自分がもう1人いるかのように「なるほど、確かに…」と納得してしまったのを覚えています。 その日を境に、私は恋愛という物に夢を抱かなくなってしまい、異性の発する言葉には「明日にはどうなるか解らないのに…」と冷めた感情を持つようになってしまいました。 と、ここまでは少しネガティブなのですが、あの一首のおかけで大人になってから気付けた事もあります。 当時は携帯電話も一般的には普及もしておらず、ましてやリアルタイムで通じ合えるようなLINEもあるはずもなく…電話以外は「手紙」という手段しかなかった時代でした。 あの当時に「遅れてやってくる気持ち(想い)」に対して「寂しい」という事に気付けていなかったら、今の私はリアルタイムで気持ちを分かち合える事に幸せを感じられなかったと思います。 そういう意味では、私はこの本に二度も人生を変えられた気がします。

【内容】

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日?―“与謝野晶子以来の天才歌人”による、空前絶後のベストセラー歌集。

 

【目次】

八月の朝
野球ゲーム
朝のネクタイ
風になる
夏の船
モーニングコール
橋本高校
待ち人ごっこ
サラダ記念日
たそがれ横丁
左右対称の我
元気でね
ジャズコンサート・IMA
路地裏の猫
いつもアメリカン