本棚

本や映画の情報サイト

異邦人:アルベール・カミュ - 私の人生に影響を与えた本 vol.0158

 

【投稿者】

20代 男性

【人生に影響を与えた理由】

文学の面白さを教えてくれた一冊です。「不条理を追求した作品」などと、難解なイメージをもたれがちなこの作品ですが、主人公の行動とその理由、心情を考えながら読むのは非常に面白かったです。自分だ出した答えがあってるかどうかわからないし、世の中にはもっと違う考えを持つ人がいたりして、難解な作品だけに様々な解釈が存在しています。そのことを教えてくれた一冊であり、また、きまった答えがない物事に対して多様な価値観があることも教えてもらいました。なにより、「読む」という行為の楽しさに気付かされた一冊です。

【内容】

母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。