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おおきな木:シルヴァスタイン - 私の人生に影響を与えた本 vol.0020

 

30代 女性

 

作品は絵本となりますが、時々いまだに読む本です。おおきな木と少年の一生が描かれており、自分自身にも当てはめて読むことが出来ます。全てを求める少年に、木は自分の出来る限りで応え、全てを与え続けます。木はリンゴの木で、実がなれば少年に与え、葉っぱや枝も歳を重ねてゆく少年に与え続けます。ネタばれになってしまいますが、大木である体自身も与えてしまいます。それでも木は少年が喜んでくれれば満足するのですが、最後の締めくくりは、「それは本当かな?」という問いかけで終わります。子供にも読み聞かせられますし、大人になっても読める本だと思います。そして、そのときの精神状態によっても、読み取り方が変わってくる不思議な本だと思います。人に与える、与えられるということを一本の木と少年から学べる、私の大好きな絵本です。

 

 

幼い男の子が成長し、老人になるまで、温かく見守り続ける1本の木。 木は自分の全てを彼に与えてしまいます。それでも木は幸せでした。 無償の愛が心にしみる村上春樹訳の世界的名作絵本。 あとがきに訳者の想いがあふれています。 「あなたはこの木に似ているかもしれません。 あなたはこの少年に似ているかもしれません。 それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。 あなたは木であり、また少年であるかもしれません。 あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。 それをあえて言葉にする必要もありません。 そのために物語というものがあるのです。 物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。」 (村上春樹/訳者あとがきより)