本棚

本や映画の情報サイト

働かないってワクワクしない?:アーニー・ゼリンスキー - 私の人生に影響を与えた本 vol.0008

【投稿者】

40代 女性

 

今まで仕事に対して頑張らなくてはいけないと思っていました。ところが体調を崩し、なかなか治らない病気になってしまいました。療養中この本を読み、仕事と自由時間のバランスの大切さを知りました。人間には仕事ばかりではなく休養する余裕も必要です。自由時間を得たとき何をすべきか、たくさんのアイデアが提案されています。お金が少なくても楽しく過ごせる方法を教えてくれます。仕事がなくなると落ち込みますが、プラス思考が必要だなと思いました。

 

 

この本からは、危険な香りがします。良質な「毒」のある本といってもいい。読み終わると、からだの力が抜けてくるかも。著者自身が「ダウン・シフター」。ダウン・シフターとは「生活水準を低下させてでも自分の満足できるライフスタイルを選ぶ人々」です。スローライフ実践者ですね。ヨーロッパには、こうした考え方は以前からあって、イケイケのアメリカ人をみて、やれやれ、という批判精神が昔からありました。 「お金に関して」の章のイタリアの格言、「幸福な心は、ふくれた財布よりいい」。いまの日本で(世界でも)、ほとんどの人がほしい豊かさは「自由な時間」です。自由な時間持ちが豊かな人かもしれません。失職した人がダウンシフターに変身して、いまは本当に幸せ、という例もでています。しかし失職からダウンシフターになるまでに1年かかった(世界の見方を変えるのに要した時間)、と言っています。ネガティブでめんどうな人間関係があるなら、さっさと逃げようという章もあるんですが、ここでも、ひとりで生きるためには、そのひとが啓発されている必要がある。セルフ・エスティームも高くないと、ひとりになったときに、人生を楽しむ余裕が生まれません。つまりダウン・シフターになるためには、その個人が啓発されていることが前提となる。時間のある休日にゆっくりと紅茶でも飲みながら読むと、かなり説得されます。別に宝くじが当たるのを待たなくても自由時間優先の生活を送れるかもしれない、と考えると、なにかワクワクしてきませんか?実際にここに書かれたような生活をするかしないかより、こうした考え方を知っておいて生活するのと知らないのとでは、まったく違った生活の質が生まれると思います。 自分のための人生を実現したダウン・シフター達 ★在職中から、仕事以外の関心を育て、退職以来、ハイキングやサイクリング、ペンキ塗り、大工仕事をして引退生活を楽しんでいる元警察官のディック。 ★タバコが苦手であることを上司が取り合わなかったことをきっかけに、仕事をやめ、人気大道芸人なったベン。 ★健康を損ねるほど働くことをやめ、自由な旅行と読書を楽しむ生活を送り、自分自身のことを深く理解できるようになったカレン。 ★短期・中期の仕事を中心にし、その合間に数ヶ月の休暇をとっているコンピュータ関連コンサルタントのリチャード。 ★以前は働かないことに罪悪感を持っていたが、ひどい環境で働くよりは、浪費をやめ、年金+αで、働かない生活を選んだリサ。 ★リストラされながらも、認識を変えることで、最悪の時期を最良の時期に変え、3万ドル(約360万円)の年収でシンプルかつリラックスした生活を手に入れたデニス。

 

はじめに
第1章 あなたも、のんきで気楽な生活ができる
第2章 ものの見方が生き方を変える
第3章 仕事人間は奴隷と同じ
第4章 あまり働かないことは健康にいい
第5章 失業──自分がどんな人間かを知る真のテスト
第6章 私を退屈させているのはこの私
第7章 誰かがおこした火で温まるのではなく、自分で火をおこそう
第8章 受身の活動だけでは何も得られない
第9章 禅の教え──今この瞬間に生きよ
第10章 くだらない仲間といるよりひとりになれ
第11章 優雅な生活に大金はいらない
第12章 終わりは、今、始まったばかり