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薫は少女:中島信子 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0187

 

【投稿者】

40代 女性

【人生に影響を与えた理由】

この本の主人公の薫は大変体が弱く、10代後半で亡くなるのですが、成長していく過程での主人公のエピソードとともに、主人公や家族の心の葛藤も描かれているところが強く印象に残る作品でした。この作品は児童文学なので、読んでいた私自身が当時小学生だったのですが、重い内容の割には小学生にも分かりやすい文章と、共感しやすいエピソードで書かれています。そのため自分自身に投影しやすく、いつか訪れる「死」や、それまでにどう一生懸命に生きるかということに、幼いながらも真剣に考える機会を与えてくれた作品でした。

【内容】

今日嫁ぐことになっている姉・幸子(さちこ)の視点から、若くして亡くなった妹・薫を回想する形で綴られた作品である。昭和20年代から40年代にかけて、おてんばでありながらも誰にでも優しかった薫が元気に過ごしていた日々と、急病に冒されて亡くなるまでの日々が描かれている。
著者がこの作品を考え出した当時はベトナム戦争が日に日に激しさを増していたこともあり、単行本の後書きで「ベトナムの少年少女の死のかわりに薫の生と死を書いた」と語っている。また、北川千代賞の審査委員であった吉田としは「構成に多少の難」があると前置きした上で、「溌剌とした魅力のある主人公を造型し」たことで他の候補作を圧倒したこの作品に「少女小説の新しいタイプを見るように思い、すがすがしい感動をおぼえた。」[1]と評した。

薫は少女 - Wikipedia

 

アルジャーノンに花束を:ダニエル・キース - 私の人生に影響を与えた本 vol.0182

 

【投稿者】

30代 女性

【人生に影響を与えた理由】

この本を読んだ10代の頃は、感動こそしたものの、これで人生が変わるとは感じていませんでした。 しかし、社会人、結婚、出産を経験して母親になった今、この本を読んだ経験が生きていると感じています。 その理由は、私が生んだ子供たちにあります。初めての出産で産んだのは双子の女の子でした。二人とも片手に乗るほど小さく、保育器の中で今にも息をするのを止めてしまいそうで、ずっと生きていてくれるような安心感が得られなかったのですが、それでもたくさんミルクを飲んで成長し、しばらく入院した後元気に退院しました。 しかし、しばらくして分かったのが二人の知的障害。それから親子三人で色んなことに取り組みました。なんとかこの子たちから「ママ」という言葉が聞きたかったんです。 アルジャーノンも主人公も投薬で知能を伸ばすことに成功しましたが、私は娘たちに投薬こそしませんが、パソコンや読み聞かせや他にも色々なことを経験させて、作品の主人公のように言葉を獲得させることに成功しました。 いつしか、この作品が私の育児を伴走してくれているような気持になっていました。この娘たちもアルジャーノン達のように高い知能を得られたら良いなと夢見ています。

【内容】

天才に変貌した青年チャーリイの葛藤を通して、人間の心の真実に迫る不朽の名作が愛蔵版に。酒井駒子の描きおろし装画であの感動をいつまでも。大切な人へのプレゼントにもぴったりの一冊です。  幼児なみの知能のため、みんなからバカにされてきたチャーリイ・ゴードン。頭がよくなる手術を受けた彼は、ついに天才へと変貌する―知を求めさまよう青年がやがて知る、ほんとうの愛とは?心の成長を描く不朽の名作。ファン必携の愛蔵版。

著者について 1927年ニューヨーク生まれ。ブルックリン・カレッジで心理学を学んだ後、雑誌編集などの仕事を経てハイスクールの英語教師となる。このころから小説を書きはじめ、1959年に発表した中篇「アルジャーノンに花束を」でヒューゴー賞を受賞。これを長篇化した作品がネビュラ賞を受賞し、世界的ベストセラーとなった。その後、オハイオ大学で英語学と創作を教えるかたわら執筆活動を続け、『五番目のサリー』『24人のビリー・ミリガン』(以上、すべてハヤカワ文庫)など話題作を次々と発表した。2014年6月没。享年86。

 

壮絶にすねる - 本で出会った素敵な言葉 vol.0182

 

【投稿者】

20代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

壮絶にすねる

 

【タイトル・著者】

有川浩「三匹のおっさん」

 

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

地域の安全を守る3人のおっさんの中の一番頼りになる清一。剣道の師範代でもある強い清一の息子祐希。とメカに強くいろいろ武器を作る則夫の娘の早苗は付き合ってはいないが仲良く、そんな関係の二人にやきもきしているそんな則夫にクリスマスプレゼントで手袋を編んで渡したときの則夫の嬉しい表情をしっていているから祐希にも手作りプレゼントを渡したときにもらったことを絶対に言わないでと伝える早苗がすごくかわいいです。父に対する思いと壮絶にというくらい自分が愛されていることを恥ずかしく、でもちょっと嬉しく思う早苗がすごく好きだなと感じました。

【本の内容】

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか! 定年を迎えて一念発起した剣道の達人・キヨ、経営する居酒屋も息子に任せられるようになってきた柔道の達人・シゲ、遅くできた一人娘を溺愛する町工場経営者で機械をいじらせたら右に出るものナシの頭脳派・ノリ。かつての悪ガキ三人組が結成した自警団が、痴漢、詐欺、動物虐待などご町内にはびこる悪を成敗! その活躍はやがてキヨの息子夫婦や孫の祐希、ノリの愛娘・早苗らにも影響を与えてゆき……。シリーズ第二弾『三匹のおっさん ふたたび』も刊行間近で絶好調の痛快活劇小説です!

 

「うそばっかり」送ったばかりのメールをぼんやり眺めながら言った。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0181

 

【投稿者】

20代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

「うそばっかり」送ったばかりのメールをぼんやり眺めながら言った。

 

【タイトル・著者】

有川浩「レインツリーの国」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

聴覚障害のある自分に優しく悪いところはしっかり叱ってくれる伸からのメールにたくさんの感情を持ち、たくさん伝えたい思いがあるのに、素直になれずおくった可愛くない返信。自分でわかっているのに、メールを書きながら素直じゃないことを気づいてるのに結局メールが来て素直におもった感情をひとつも伝えず、返信をしてしまったその気持ちが切ないと思います。でも。素直な感情じゃないと気付けたことはひとみにとって成長だと思うし、そんな気持ちを伸は気づき、優しく諭してくれるのがとても感動しました。

【本の内容】

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった―。

 

ブレイブ・ストーリー:宮部みゆき - 私の人生に影響を与えた本 vol.0179

 

【投稿者】

40代 女性

【人生に影響を与えた理由】

この本の中に出てくる、生きるということは「喜びがある限り、悲しみがある。幸福がある限り、不幸もある」という言葉に感銘を受けました。本当に当たり前のことなのですがなかなか気づかず、この本に出会う前までの私は、打たれ弱く少しの困難にでもすぐに後ろ向きになったり、嫌なことには必要以上に落ちこんだりしていました。この本を読んでから、「つらいな」と感じる時でも「でも、嫌なことばかりではない。もうちょっと頑張ってみれば今度は楽しいこともあるはず!」と心から思って頑張ることができるようになりました。

【内容】

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

 

 

おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話がふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることのできる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強くたくましくなってゆく。 現代社会の歪みを浮き彫りにしたクライム・ノベルから、下町情緒あふれる時代小説まで、さまざまなジャンルにおいて高水準の物語を生み出してきた著者が新たに挑んだ作品。それは、上下巻あわせて2300枚にも及ぶ壮大なスケールで描かれた冒険ファンタジーである。 名実共に日本を代表する著者は、子ども時代のように空想の世界を素直に受け入れられない大人の読者のために、周到なお膳立てを忘れない。まずは、上巻の半分を占める現実世界の描写。幽霊を信じないほど「マジメでカチカチ」で、両親のいいつけに反抗できない「いくじなし」である小学5年生のワタルが、「運命を変えたい」と切実に願うまでに至る日常を丹念に描くことで、読者を主人公の気持ちに感情移入させるのだ。さらに、「幻界」の設定が効いている。「『幻界』とは現世に住む人間の想像のエネルギーが創り出すもの」であるため、ワタルが大好きなロール・プレイング・ゲームのシリーズに登場する舞台やキャラクターに似ていて当たり前。ファンタジーが苦手でもこれなら頷ける。子どもがゲームに影響された夢を見ているのだと。しかし、一旦「幻界」に入り込むと、これら現実的感覚が揺らぎ始める。 次から次へと現れる愉快な登場人物とドキドキハラハラのハプニング、そして感動の出会いと別れ。流れるようなストーリー展開に、カチカチの大人もいつしか幻の世界を行く「旅人」となる。(冷水修子)

 

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