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私は旅に出て以来、ことあるごとに「金がない」と言いつづけてきたような気がする。だが、私には少なくとも千数百ドルの現金があった。これから先の長い旅を思えば大した金ではないが、この国の普通の人々にとっては大金というに値する額であるかもしれない。私は決して「金がない」などと大見得を切れる筋合いの者ではなかったのだ。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0184

 

【投稿者】

20代 男性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

私は旅に出て以来、ことあるごとに「金がない」と言いつづけてきたような気がする。だが、私には少なくとも千数百ドルの現金があった。これから先の長い旅を思えば大した金ではないが、この国の普通の人々にとっては大金というに値する額であるかもしれない。私は決して「金がない」などと大見得を切れる筋合いの者ではなかったのだ。

 

【タイトル・著者】

沢木耕太郎「深夜特急1」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

アジアの国へ旅行に行くと、よく現地の人に「お金持ちだね。」と言われますが、私は必ず「貧乏旅行だよ。」と答えていました。日本に住んでいる私の基準だと確かにコストを抑えられるだけ抑えた旅行でした。一番安い航空券を買って、安い宿に泊まり、安いローカル料理で食事を済ませていました。しかし、私はこの一節を読んで現地の人がなぜそのようなことを言ってくるのかを理解しました。その国の生活水準や所得を考えると、そもそも飛行機に乗って外国に行くこと自体が夢のまた夢なのでその国の人からしてみれば、私はお金持ちになるのです。なので、私は決して「お金がない」などとは言う資格がないのだと実感しました。

【本の内容】

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは「大小(タイスウ)」というサイコロ賭博に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪が、いま始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ!