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悲しく貧しい人間とその精神は、悲しく貧しい家具に宿る、という新しい格言ができそうなくらい目の前に座る二人の若い女はこの店のソファーとテーブルに似合っている。マキはヴィトンのポシェットを持っているが、おれはコギャルがシャネルやプラダを欲しがるのが何となく理解できる。ブランド品に限らず本物は、持っていて悲しくなることはない。ブランド品ではない本物を見つけるのは難しいし、面倒で、センスを磨く訓練も必要だ。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0149

 

【投稿者】

30代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

悲しく貧しい人間とその精神は、悲しく貧しい家具に宿る、という新しい格言ができそうなくらい目の前に座る二人の若い女はこの店のソファーとテーブルに似合っている。マキはヴィトンのポシェットを持っているが、おれはコギャルがシャネルやプラダを欲しがるのが何となく理解できる。ブランド品に限らず本物は、持っていて悲しくなることはない。ブランド品ではない本物を見つけるのは難しいし、面倒で、センスを磨く訓練も必要だ。

 

【タイトル・著者】

村上龍「インザ・ミソスープ」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

この本を読んだ当時19歳くらいの私はコギャルではありませんでしたし、繁華街で遊びまくるような若者でもありませんでしたが、ブランドのバッグに興味をもちだした頃でした。オシャレするのが大好きでそこにブランドのバッグを取り入れたくて仕方がなかった時期でした。 この本のこの文章を読んだ時に何か自分の中に間違いがあるような気持ちになりました。ブランド品を自分のオシャレに取り入れたいのはオシャレに見えるからではなく、自分に自信がなかったからだと気づきました。それ以来、意味もよく理解せずブランド品に興味を持つのはやめました。自分に似合う服を選ぶオシャレを楽しむようになりました。 この本の中に他にもたくさん考えさせられる文章はありましたが、なぜかこの1節が18年たった今も心に残っています。大げさかもしれないけど私の価値観を変えた1節です。

【本の内容】

第49回(1997年) 讀賣文学賞小説賞受賞


子どもの殺人に原因はないよ、幼児が迷子になるのに原因がないのと同じだ、親が目を離したから?それは原因じゃなくて子どもが迷子になる過程の一つにすぎない。村上龍最新長編。