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のうてんふぁいら、だよ、お前は。まるっきり、のうてんふぁいらだ。と言った。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0148

 

【投稿者】

40代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

中瀬は鼻先で嗤い、のうてんふぁいら、だよ、お前は。まるっきり、のうてんふぁいらだ。と言った。

 

【タイトル・著者】

吉田知子「脳天壊了(のうてんふぁいら)」

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

ただただこの「脳天壊了」という言葉に心を打たれて、注文して本を買いました。出てくるのは戦争で知り合いになった年寄りの嫉妬の話。上下関係にある二人の爺さんの上に立つ人が、このセリフを主人公の爺さんに浴びせます。なんとも屈辱的なひびき、完全否定されたこの言葉。今まで聞いた事も無かったですし、言われたら胸をえぐられる言葉。 汚いお爺さんしか出てこないのに、臭い立つような嫌みのない小説でした。最後に、上目線の爺さんは瀕死の状態になるのですが、その側で下の爺さんが「のうてんふぁいらは、お前だと言い返し黙って見続けるシーンも印象的です。

【本の内容】

作家・吉田知子の小説選集第一弾。巻末には町田康氏が考える「脳天壊了」への問いを収録。


吉田/知子
1934年浜松生まれ。名古屋市立女子短大経済科卒業。1970年「無明長夜」で第六三回芥川賞を受賞。著書に「満州は知らない」(女流文学賞)、「お供え」(川端康成文学賞)、「箱の夫」(泉鏡花文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)