いいか、祈ったりしては駄目だぞ。自分で乗り切ると根性をすえるんだ。誰も助けてはくれないぞ。生きるか死ぬかだ。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0147
【投稿者】
40代 女性
【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】
いいか、祈ったりしては駄目だぞ。自分で乗り切ると根性をすえるんだ。誰も助けてはくれないぞ。生きるか死ぬかだ。
【タイトル・著者】
伊集院静「受け月」
【その言葉が好きな理由・感動した理由】
この小説を、肝臓がんで末期状態で入院していた母の枕元で読んでいました。ちょうど自分に重なってしまって、泣きながら読んでいました。この物語の主人公の娘さんの旦那さんが、がん患者だったのです。この本を購入したのは母で、「どんな気持ちで読んだろう」と思うとまた泣けてきました。 何回も入退院を繰り返していた母でしたが、この時の入院を最後に、天国に行ってしまいました。この小説のお父さんが娘に言ったこの励ましの言葉、今でも忘れられません。
【本の内容】
短編の名手のワザが冴える直木賞受賞作。 永年率いた社会人野球の名門チームからの引退を、自ら育てた後輩に告げられた老監督、亡くなった夫の好きだった野球を始めた息子がベンチで試合を見つめる姿に複雑な思いを抱く若い母親、母と自分を捨てて家を出た父親との再会を躊躇(ためら)う男……。誰にも訪れる切ない瞬間によぎる思いを描いた、直木賞受賞作。 伊集院さんの作品が語る「野球」の魅力に私は感動しています。プレーする人も、それを観る人も、ともにその喜びや感動を共有できる「野球」のすばらしさを、伊集院さんが作品を通して後々まで伝える伝道師となってください。――(長嶋茂雄)