ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、 ひとりでいても怖くないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね - 本で出会った素敵な言葉 vol.0138
【投稿者】
40代 女性
【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】
私はさ、まわりに子どもがいないから、成長過程に及ぼす影響とかそういうのはわかんない。けどさ、ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、 ひとりでいても怖くないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね。
【タイトル・著者】
角田光代「対岸の彼女」
【その言葉が好きな理由・感動した理由】
本当にその通りだと思ったからです。学生の頃は、一人でも多く友達がほしかった。一人でいて寂しそうと思われるのが嫌だった覚えがあります。 大人になった今、なんであんなに一人で行動することが怖かったんだろうと不思議に思います。 自分の子どもには「ひとりでいても怖くないと思わせてくれる何か」を見つけてほしいなと思いました。 最後の「うんと大事な気が、今になってするんだよね。」という表現が、柔らかくてあったかい感じがして好きです。
【本の内容】
いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。