たまいれ たった一ど はいった たまを こころが なんども おもいだす 五ども 十ども はいったみたい - 本で出会った素敵な言葉 vol.0136
【投稿者】
40代 女性
【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】
たまいれ たった一ど はいった たまを こころが なんども おもいだす 五ども 十ども はいったみたい
【タイトル・著者】
まどみちお「人生処方詩集」
【その言葉が好きな理由・感動した理由】
「人生処方詩集」は、「ぞうさん」などの童謡の詩で知られる、まどみちおさんの選詩集です。哲学的なものから、心のひだをえぐるもの、まどさんご自身が老いを静かに見つめた晩年の詩まで、さまざまなものが綴られています。その中のひとつの詩「たまいれ」は、こどもの頃の純粋な思いをリアルに表現した詩です。運動会で、自分が入れたたったひとつの玉。そのささやかなよろこびを感情豊かに表現しています。というのも、うちの子どもは、あまり運動神経が良くなく、運動会でヒーローになるタイプではありません。もちろんリレーの選手に選ばれることも、まったくありません。親としては、なんだか頼りなくて、もうちょっと負けん気を持ってがんばって欲しいなぁとヤキモキしてしまうのですが、運動会の後、作文で「玉入れで、1こ入ってうれしかった」と書いていたのです。ああ、別にヒーローじゃなくても、一生懸命がんばっているんだ。1個の玉のことを、もっと褒めてあげなくちゃいけないんだなぁと、反省してしまいました。そして、ちょうどその後、この詩を読み、まどさんなら、うちの子のことを、いっぱい褒めてあげるだろうなと感動したのです。まどさんの細やかで優しい視線、子育てのヒントにもなると思います。
【本の内容】
「ぞうさん」「ぼくがここに」「妻よ」「木」など今年103歳を迎えるまど・みちおの、こころに寄りそう詩の世界。こころのシーン10章に合わせて、生命をやさしくみつめる詩やものごとの核心に迫る詩、くすっと笑ってしまう詩など70篇を収録。近年注目されている絵画も紹介。