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構わん、いてもうたれ - 本で出会った素敵な言葉 vol.0114

 

【投稿者】

30代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

「構わん、いてもうたれ」

 

【タイトル・著者】

森見登美彦「有頂天家族」

 



【その言葉が好きな理由・感動した理由】

有頂天家族の第3章の一番佳境のセリフです。夷川一家にやられっぱなしの下鴨一家のその三男坊・矢三郎が立ち上がり、風神の扇で夷川を吹き飛ばすその直前に彼の脳裏に浮かぶ亡き父が彼に語りかけます。この直後矢三郎はうんと思い切り夷川を遠く彼方へ吹き飛ばします。 それまでの、夷川家へのいらだちとそれでも腐っても身内を吹き飛ばしていいものか?という葛藤があるなか、「親父ならなんとするだろう?」と迷う矢三郎の迷いに、彼の思う、尊敬する父が彼の迷いを解き放ちます。このセリフからその後の、悔しそうに吹き飛ばされていく夷川(ばいきんマンがアンパンチで「覚えてろよ!」と叫ぶような)あの爽快感につながっていく一連の流れが大好きです。たまに自分自身が迷ったときや、腹の立つ相手に何か言ってやりたいときに私もこの言葉を思い浮かべます。実際に言えるかどうかは別として(笑) これとは別に同作の「阿呆の血のしからしむるところ」という言葉も大好きですが、こちらはこちらで怒りの感情から自分を解放するために思い浮かべることにしています。

【本の内容】

第20回山本周五郎賞受賞第一作!著者が「今まで一番書きたかった作品」と語る渾身の作。偉大なる父の死、海よりも深い母の愛情、おちぶれた四兄弟……でも主人公は狸?!

時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー。

 

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