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君よ、知るや、諦めの民の愛情の深さを - 本で出会った素敵な言葉 vol.0112

 

【投稿者】

30代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

君よ、知るや、諦めの民の愛情の深さを

 

【タイトル・著者】

太宰治「秋風記」




【その言葉が好きな理由・感動した理由】

それまで表面上は淡々と静かに進んでいく物語の中で、突然出てきたような一節だと思いました。淡白にすら思える文面がこの一節で突如として色彩を帯び、主人公の弱さや逃れようのないKへの熱情、その熱情が叶わないものだと悟っているからこその引き裂かれるような切なさと寂しさが溢れているように感じたのです。 淋漓と感情が腹の底から溢れ出るようなその表現や言葉選びに、今でも読む度に胸が熱くなりますし、鳥肌が立ちます。

【本の内容】

「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編小説。初出は「愛と美について」[竹村書房、1939(昭和14)年]。死の誘惑に取り憑かれた主人公「私」が、年上の女性・Kと谷川の温泉に向かうという話で、二人の対話を中心に、奇妙な情死行を綴った短編である。「私」とKの対話に連想作用が用いられているなど、手法的にも見るべき点がある。

 

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