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お前は、ミミズクだ。そして私はーーー……フクロウだ - 本で出会った素敵な言葉 vol.00091

 

【投稿者】

20代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

「お前は、ミミズクだ。そして私はーーー……フクロウだ」

 

【タイトル・著者】

紅玉いづき「ミミズクと夜の王」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

ミミズクが初めて面と向かって名前を呼ばれた瞬間で、ミミズクが付けたフクロウという名前を夜の王が受け入れた瞬間だったからです。 まずこの小説は、元奴隷で死にたがりな明るい少女と人間が嫌いな魔物の王の出会いから始まります。童話のような展開で、きっとこうなるんだろうなという予測がたてやすい半面、奴隷として扱われてきた少女の語る過去、夜の王が人を嫌う理由といった内容や描写に仄暗さがあり、終着点はどうなるのか、は全く予想できませんでした。 この一節は簡潔な台詞で、仰々しいものではないです。しかし、そこまで読み進めると「あぁ、よかった」とほんのり心が暖まる一節でした。

【本の内容】

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。―それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。第13回電撃小説大賞「大賞」受賞作、登場。