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理解はできないが受け入れる - 本で出会った素敵な言葉 vol.00085

 

【投稿者】

30代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

理解はできないが受け入れる。

 

【タイトル・著者】

梨木香歩「春になったら苺を摘みに」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

著者が学生時代を過ごしたイギリスでの下宿先の主人、ウエスト夫人と、その下宿先の様々な国からやってきた住人たちとのエピソードが中心です。このエッセイの中で、この一文が最も外国の方と接する上で大事なことなのだと、衝撃を受けました。読んだ当時、外国での短期留学を控えてたいた私には、異文化への恐怖が少なからずありました。しかし、自分の妻にひどい扱いをするイスラム教徒や、傲慢なアフリカの王族に対しても、受け入れるウエスト夫人の姿に、とても驚きました。自分とは違う文化だから、共感できないから排除するのではなく、ただ受け入れる、そのスタンスに感動しました。

【本の内容】

「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靱な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける――物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。