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それがほんとうに伝えたいことだったら……伝わるよ、きっと - 本で出会った素敵な言葉 vol.00050

 

【投稿者】

20代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

「それがほんとうに伝えたいことだったら……伝わるよ、きっと」

 

【タイトル・著者】

重松清「きよしこ」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

「きよしこ」は吃音に苦しむ少年きよしの子ども時代からの成長の物語です。上で挙げた感動した一文は、きよしの想像上の友達であるきよしこのセリフです。吃音という厄介なもののせいで、きよしの少年時代は決して明るいものではありませんでした。口を開けばコンプレックスを浮き彫りにされるという毎日の中で、きよしは思ったことを伝えることがなかなかできないでいるのです。そんな彼を勇気づけてくれるのがきよしこです。上記のセリフもきよしを励ますためにきよしこが言ったものです。この言葉はきよしにだけでなく、私たち皆を勇気づけてくれるものだと思います。だから私はこのきよしこの言葉が好きなのです。

【本の内容】

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと──。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。