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生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0004

 

【投稿者】

40代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。

 

【タイトル・著者】

坂口安吾「堕落論」

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

堕落論という本を教えてくれたのは、行きつけのジャズバーのマスターでした。 『坂口安吾を知らんのか?あれは読んでみるべき』 太宰治と同時代の人であるという以外、何も知らなかったのですが。 戦後の動乱期を生き生きと描いた名著の一つだと思います。 生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。 こんな風に喝破されると、今の軟弱な日本人は驚きます。 生きることは堕ちること。 堕ちることがない人生だってあるのでしょうが、この泥臭い名言の前にはツマラナく思えてしまうのが不思議です。

【本の内容】

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の評論。初出は「新潮」[1946(昭和21)年]。「日本文化史観」や「教祖の文学」と並ぶ、安吾の代表的評論。「半年のうちに世相は変った」という有名な書き出しを枕に、戦後直後の日本人が自らの本質をかえりみるためには、「堕落」こそが必要だ、と説いたことで世間を賑わせた。現在も賛否両論を集める、過激な評論作品。