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私が遠くなったんじゃない。楽俊の気持ちが遠ざかったんだ。わたしと楽俊の間にはたかだか2歩の距離しかないじゃないか。 - 本で出会った素敵な言葉 vol.0003

 

【投稿者】

30代 女性

【本で出会った素敵な言葉・好きな一節・感動した一文】

私が遠くなったんじゃない。楽俊の気持ちが遠ざかったんだ。わたしと楽俊の間にはたかだか2歩の距離しかないじゃないか。

 

【タイトル・著者】

小野不由美「月の影 影の海」

 

 

【その言葉が好きな理由・感動した理由】

実は王であった主人公のセリフ。王と一般市民の間で交わされた会話の一節だが、王であってもそれはただの役職名で気持ちは今までと変わらないのだというのをはっきりと言わずに二歩の距離と見た目でサラッと言うところが好き。事は楽俊は半獣でこの後、「おいらにとっては3歩だ」と返すのだがこの返しも好き。感動的なシーンをわざとジョークで返しているから。人の間には役職名や肩書が存在するけど実際にはそんなものは関係ないのだと読みながら感動した。

【本の内容】

「あなたは私の主(あるじ)、お迎えにまいりました」 学校にケイキと名のる男が突然、現われて、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿(たど)りついたところは、地図にない国。 そして、ここで陽子を待ちうけていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍りでる異形(いぎょう)の獣たちとの戦いだった。 「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」 陽子を異界へ喚(よ)んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる!