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中年以後:曾野綾子 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0138

 

【投稿者】

50代 女性

【人生に影響を与えた理由】

若い頃は世間で起こるいろいろなことを、黒か白かという単純な見方しかできませんでした。極端に言えば、自分は正しく理不尽なのは相手という感じです。自分にも厳しくあろうと、それなりに努力しました。しかし、自分も中年にさしかかり、それまでのキリキリしたような生き方に疲れを覚え始めたころ、この本をよんで、自分に対しても少しいい加減になることで、まわりの人々に対しても、おおらかに接することができるようになったと思います。

【内容】

人生は中年を境に、老年と死に向かうという大体のシナリオはもう決まっている。だが、「中年以後」にしか人生は熟さない。失うことを受け入れる心を持つのと引き替えに、この時期にしか見えてこないもの、味わえないものがある。難しくも、手応えのある「中年以後」をどう過ごし、乗り越えればいいか。そのヒントがこの本の中にある。

 

【目次】

ただ人間だけがいる―この世には神も悪魔もいないことを知る頃
許しと受容の時―出自の部分で受けた毒気を自ら抜く
桜の精の悪戯―中年以後にしか人生は熟さない
正義など何ほどのことか―横軸で働く正義よりも、縦軸の慈悲
今日は、私―醜いこと、惨めなことにも手応えある人生
大皿は入れたものをすぐ冷やす―ほんとうの人生の価値判断を完成する
土の器を楽しむ―失うことを受け入れる準備
時の変質―妻が見慣れた家具のようになる
達人の条件―死ぬまでにしておきたいことのためのお金
親を背負う子―一見損な役回りをかってでられるか
読まれなかった日記―自分史に人への恨みは書くな
固い顔も和らげる―算数通りにならない人生
親しい他人―子供がいる、という寂しさ悲しさ
ロンドンの街角で―年月を経た自然の出会い
価値観の交差点―体力の線が下降、精神の線は上昇
禁欲と享楽―組織を愛するなんて幼稚な感情
立ち去る年長者―私も同じような罪を犯しました
風の中の一本の老木―末席の楽しさを知る
いなくてもいい人、の幸福―田園に帰ればいい
危機はそこにある―現実を信じず、悪いことを予測する
憎しみも人を救う―常識的迷惑は避けるのがいい
誠実の配分―あちら立てれば、こちら立たず
吹き溜まりの楽しさ―自分の手に余ることがない範囲
人間を止めない人―徳のある人になること