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村上龍映画小説集:村上龍 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0119

 

【投稿者】

20代 男性

【人生に影響を与えた理由】

本作は小説家、村上龍の自伝的な作品です。彼のデビュー作である「限りなく透明に近いブルー」と、彼の高校時代を描いた「69」という二本代表作の間の期間を埋めるような作品となっています。前述の2作品は共に作者の村上龍氏自身が主人公ですが、作中の主人公はまったく別人のようです。 一体、主人公の身に何があったのか、それを本作で教えてくれます。 「自分は周りとは違う」誰もが一度はこう思い、自分にしか無い才能があるのでは無いかと、もがき悩みます。 本作の主人公も同様です。常に俯瞰的に物事を見ながら、自分の才能を模索しながら淡々と視野を広げていきます。後に芥川賞を当時の最年少で受賞することとなる、天才小説家村上龍はいかにして生まれたか。 根性論や薄っぺらい自己啓発は無意味である。モチベーションが無い人間が、他者を圧倒したいのならば「知識」と「知性」こそが最強の武器となる。 それを彼独自のタッチで教えてくれます。

【内容】

ラストシーンを憶えてる?もちろんと僕は答える。あのラストシーンが好きなのとヨーコは言う、どこにも行かなくて済むっていうものを見つけなさい。基地の街から出てきた東京はひどく退屈で、麻薬とセックスと音楽に明け暮れる中で、映画だけは強烈な魅力にあふれていたのだ──。平林たい子文学賞受賞作。

 

【目次】

甘い生活
ラスト・ショー
地獄に堕ちた勇者ども
大脱走
狼は天使の匂い
ブルー・ベルベット
アラビアのロレンス
地獄の黙示録
ロング・グッドバイ
レイジング・ブル
スコピオ・ライジング
ワイルド・エンジェル