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老子:老子 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0046

 

50代 女性

 

人生を生きる上での智恵がつまった1冊だと思います。生まれてから良い大学を出て、良い職業について、結婚して、子供を産んでというマニュアルに添った生き方を求められてきました。しかし、マニュアルどおりにならないのが人生です。人は多様であり、聖人君子ばかりではありません。生きる上で、こちらが誠心誠意尽くしても、好転しない事もあるのです。そんな時、老子を読みました。「上善は水のごとし」で表わされるように、こうあるべきという固定観念を捨てて、いろいろな角度から考えてみるという、しなやかでしたたかな生き方を学びました。大切なのは幸せになる事で、型にはまったレール通りの人生を歩む事ではありません。突進するだけでなく、1歩距離を置くという事を学びました。黒田官兵衛は出家して「如水」と号しました。老子にあやかったともいわれています。老子は、戦国武将でも大切にした智恵です。

 

古代中国の書『老子(老子道徳経)』は、熾烈な戦国時代を生き抜く処世の知恵であり一種の統治理論であるが、同時に、世の中と人間についての深い洞察力によって、人類の教科書ともいうべき普遍性を持っている。ここで説かれる平和的で、自足、素朴なあり方、謙虚さは、時代や地域を超えて、現代の人々の心に直接訴えかける。