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廃用身:久坂部羊 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0021

30代 男性

 

医療系である医師が脳梗塞などで動かなくなった、手足を切断するといった。実話に基づいた話である。 不随運動などで本人も動かない腕や足によって日常生活に支障が出ているところ、敗血症である老婆の腕を切断する。 しかし、それに伴って認知症の症状が改善していき、脳への血流が増大することによる症状改善と仮定し何人か切断を決行するが、そのうちの一人が被害届けを出すことで自殺まで追い込まれるといった話。 自身が正しいと思うことでも貫けない歯痒さを改めて考えさせられた。

 

 

廃用身とは、脳梗塞などの麻痺で動かず回復しない手足をいう。神戸で老人医療にあたる医師漆原は、心身の不自由な患者の画期的療法を思いつく。それは廃用身の切断だった。患者の同意の下、次々に実践する漆原を、やがてマスコミがかぎつけ悪魔の医師として告発していく―。『破裂』の久坂部羊の、これ以上ない衝撃的かつ鮮烈な小説デビュー作。