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知覧からの手紙:水口文乃 - 私の人生に影響を与えた本 vol.0018

 

20代 女性

 

この本は戦争時代の実話で、特攻隊として命を全うする男性と結婚を約束していた女性の話です。普通に出会い、2人の時間を過ごしていた2人ですが戦争が邪魔をしました。特攻隊に志願した彼と手紙でのやりとりで繋がっていた2人。戦争に出てしまう時に、彼女は自分のスカーフを渡します。そして彼は特攻隊として、命を終えました。その後、彼女に渡されたのは一枚の写真。彼が戦闘機に乗る前に撮った写真でした。他の隊員と並ぶ写真ですが、1人だけ首元が違いました。ポコっと膨れた首元は、制服のスカーフの下から彼女が渡したスカーフが巻かれていたのです。戦争時代の純愛を描いた本です。

 

 

智恵子 会いたい、話したい、無性に──。鹿児島県知覧にあった特攻隊の出撃基地。法曹の世界に進む希望を持ちながら、陸軍航空兵を志願した穴沢利夫少尉もそこから空に散った。知覧より婚約者・智恵子に宛てた手紙には、深い愛情と、そして無念の感情がほとばしっていた。戦後六十年以上を経て、婚約者が語り尽くした想い。一つの愛の形とあの時代の現実を追ったノンフィクション。

 

第1章 出会い―図書館から戦場へ
第2章 覚悟―マフラーになりたい
第3章 婚約―たった一晩の子守唄
第4章 特攻―あなたを辿る旅